日本型預託証券
- 英語
- Japanese Depositary Receipt
- 同意語
- JDR
外国有価証券を受託有価証券として日本国内で信託法に基づき発行される受益証券発行信託の受益証券のことで、アメリカのADRやヨーロッパのGDRと同様に、外国の株式や債券、ETFなどを日本国内で円滑に流通させるために整備された枠組み。
ADRやGDR等の預託証券(DR)は、自国における規制や売買・決済の利便性の向上など様々な理由から、有価証券そのものを他国の取引所に上場できない外国会社が、他国の証券市場で資金調達等を行う際に利用されることにより発達し、活発に取引されていて、日本では、2007年の金融商品取引法改正において、海外企業の上場減少の傾向をふまえて、外国企業の上場の促進を図るとともに日本の投資家により幅広い資産運用対象を提供することを目的として日本型預託証券(JDR)が導入され、東証においても外国株式・外国ETFを対象とするJDRの上場制度が整備された。(JDRの1号案件はインドの自動車メーカーのタタ自動車)
JDRは、預託契約に基づいて発行されるADRやGDRとは異なり、信託法に基づき発行されるため、JDRの受益者は信託法に基づく保護の対象となるが、JDRへの投資はその外国会社が発行する有価証券を直接取得した場合と同様のリスクが存在し、受託者(信託銀行等)の信託法上の受託者責任等の規制が補完を行うものではない。また、JDRの所有者は、信託を通じてその発行会社の有価証券を間接的に所有しているため、当該有価証券を直接所有している場合と全く同一の権利を行使できない場合もある。