スマートベータ
- 同意語
- スマートベータ指数 , オルタナティブ・ベータ , アドバンスト・ベータ , サイエンティフィック・ベータ , 戦略指数
- 関連語
- β , アウトパフォーム , アンダーパフォーム , JPX日経400 , FTSE RAFIインデックス , MSCIジャパン・クオリティ・インデックス , アクティブ運用 , パッシブ運用 , バックテスト , カーブ・フィッティング , GPIF
特定の属性を持つ銘柄を財務指標や株価の変動率等の時価総額以外の基準でウェイトを付与する事で構成される指数のことで、市場全体との連動性を表すβ(ベータ)が1.0となるTOPX等の完全に市場に連動した指数に手を加えて、アウトパフォームを目指すことから「スマートベータ」と呼ばれていて、JPX日経400、FTSE RAFIジャパン・インデックス、MSCIジャパン・クオリティ・インデックス等がある。
スマートベータ指数をベンチマークとして用いることで、株価指数に連動した騰落率(ベータ)を目指すインデックス運用と、株価指数を上回る超過収益(アルファ)を狙うアクティブ運用の中間的な運用が可能であり、これはアクティブ運用のインデックス化と言え、パッシブ運用の効率的な補完やアクティブ運用の安価な代替として注目されている。
スマートベータの特徴としてベータが1.0を上回ることを目指しており、スマートベータ指数を用いたバックテストでは長期のパフォーマンスは市場指数よりも良い数字が出ることが示されているが、これはそのようになるように指数を設計されていて、カーブ・フィッティングが起きているためとも考えられるため、将来市場構造が変化した際には、アンダーパフォームになる可能性もあるので、どのスマートベータを採用するか、またどう分散するかの選択も重要である。また、概ね買い持ちによって再現できる市場指数のパッシブ運用とは異なり、スマート・ベータ指数に対するパッシブ運用には定期的なトレードが必要となり、この取引コストが運用のパフォーマンスを低下される要因になるとともに、運用報酬を高める形で投資家に転嫁されることにもなるため、アクティブ運用程ではなくてもパッシブ運用よりも運用報酬等のコストがかかることにも注意が必要である。
また、2014年4月にはGPIFがインデックスに依拠しつつ中長期の視点で効率的に超過収益を獲得する手法としてスマートベータ型アクティブ運用を従来の伝統的アクティブ運用と別枠で位置付けて採用したことでも注目されている。