アップティック・ルール
- 英語
- uptick rule
直近の売買が約定した価格を下回る水準での空売りを禁止する規制のことで、ヘッジファンド等の意図的な売り崩しを防ぐ空売り規制のひとつ。
米国においては、1938年に米証券取引委員会(SEC)によって採用されて以来、長い間、アップティックルールによる規制が行われていたが、「市場の流動性を低下させる」、「相場操縦を抑制する効果が見られない」などの調査結果を基に2007年7月に廃止された。しかし、その後発生したサブプライムローン問題に起因する市場混乱はアップティック・ルール廃止が拍車をかけたとする見方もあり、2010年にある銘柄の株価が1日に10%超下落した場合という条件付きで復活した。また、欧州ではアップティック・ルールは導入されていない。
日本では、リーマン・ショック後の市場混乱における有事の時限措置として導入され、常時規制されていたが、2013年11月からトリガー抵触(前日終値比10%以上の下落)によりアップティックルールが適用されるトリガー方式に移行し、米国と類似する仕組みになった。