空売り規制
- 関連語
- 空売り , リーマン・ショック , ネイキッド・ショート・セリング , PTS , アップティック・ルール , トリガー方式
空売り(信用新規売り)自体が株価を下げる要因となるものであるため、空売り注文に関して、金融商品取引法施行令及び有価証券の取引等の規制に関する内閣府令において規定されている一連の規制のことで、リーマン・ショック後の市場混乱における有事の時限措置として強化され(2013年11月に一部緩和)、明示・確認義務、価格規制、残高報告義務等がある。
主な空売り規制
- ネイキッド・ショート・セリングの受託禁止
「空売りの委託の取次ぎの申込みを受けた者は、当該空売りに係る有価証券について決済措置が講じられていることを確認できないときは、当該空売りの委託の取次ぎを行つてはならない。」とされ、リーマン・ショック後の時限措置としてネイキッド・ショート・セリングの受託は禁止され、対象にPTSにおける取引を加えた上で、恒久化された。
- 空売りの残高情報(ポジション情報)の報告・公表
当該銘柄に係る空売り残高(未決済建玉)割合が発行済株式数の0.2%以上となったとなった顧客は「空売りをした有価証券に係る銘柄コード及び銘柄名、空売りの残高数量、空売り残高割合」及び「商号、名称又は氏名及び住所又は所在地」について金融商品取引業者を通じて取引所へ報告し、取引所は発行済株式数の0.5%以上の顧客情報について公表する。
2008年11月7日から導入され(報告・公表基準はともに0.25%)、2013年11月5日から基準が緩和された。 - 価格規制
リーマン・ショック後の市場混乱における有事の時限措置として常時規制されていたが、2013年11月5日からトリガー抵触によりアップティック・ルールが適用されるトリガー方式に移行した。
- 確認・明示義務
金融商品取引業者は、顧客から有価証券の売買の売りつけの注文を受けた場合において、当該有価証券の売付けが空売りであるか否かの別を確認しなければならないとともに、有価証券の売付け又は清算取次ぎ委託が空売りに該当する場合、金融商品取引所に対し、当該売付け又は清算取次ぎ委託が空売りであることを明示しなければならない。