say on pay
- 関連語
- ドッド・フランク法
企業経営者に対する報酬支払い(PAY)に関して株主が意見を言うこと(SAY)を認め、経営者報酬に関する議案を株主総会に諮り株主の投票の対象とする制度のことで、英国で発表された金融機関改革の報告書が「金融機関の従業員が目先の収益に貢献しても将来は損失を蒙るような高リスクの投融資に傾斜したことが08年の金融危機の引き金になった」との見方を示し、この報告書を受けて英財務省が賞与を長期の収益に連動させ、その一定以上を数年にわたって繰り延べることや、年収が100万ポンド(約1億2000万円)以上の従業員数を開示させることなどを柱とする報酬規制を、2010年度から導入すると発表したことに端を発し、米国では金融規制改革法(ドッド・フランク法)の一環として役員報酬を株主総会に諮るSay-on-payが上場会社に義務づけられた。
ドッド・フランク法においては、法的拘束力のないNon-bindingvoting(非拘束的決議)とされ、参考意見として株主の意向を調査するといった位置付けとなっているが、役員の報酬の内容が否決されれば、株主や世間から注目を集めることになることから、単なる参考意見にとどまらない、実際的な抑制力があると考えられている。