リキャピタリゼーション
- 日本語
- りきゃぴたらいぜーしょん
- 英語
- recapitalization
- 同意語
- リキャップ
借入金の割合を増やし、株主資本を圧縮する取り組みのことで、厚すぎる株主資本を圧縮することで、ROEを高めることもできるし、資本コスト(WACC)を低下させることで企業価値の向上にもつながる。
有利子負債を増やすことで支払金利が増加し、純利益の金額は下がるが、低金利時代においてはその影響はさほど大きくなく、借入金の利息は損金算入されるため、インパクトは軽減され、節税につながるためインパクトは軽減される。負債比率が上昇しすぎると格付等に悪影響が出るために可能な金額には限度があるが、負債比率の低い企業(自己資本比率の高い企業)にとっては、資本効率を高める方法の1つとなる。
また、借入金の代わりに転換社債(リキャップCB)の発行で調達した資金で自社株買いを実施することもあり、支払金利はゼロで済ませ、ROEはさらに高めることもできる。また、転換社債がすべて株式に転換されてしまえば、バランスシートはもとに戻るが、転換価格は通常今の株価よりも高く設定されるので、リキャップCBの発行前に比べると発行済株数は減ることになり、一株あたり利益は高まることになる。
日本では海外投資家を中心に、日本企業の資本効率の悪さ、ROEの低さがやり玉にあげられていた2008年ころにリキャピタリゼ―ションが盛り上がりを見せ、電通(借入金で実施)、アサヒビール(CBで実施)、セブン&アイHD(借入金で実施)等が実施したが、リーマン・ショックが発生し、投資家はROE重視から、企業の手元流動性や自己資本比率を重視するようになり、下火になった。