内部統制システム
- 英語
- internal control system
会社法において、「業務の適正を確保するための体制」として定義される用語のことで、「業務の適正」とは、違法行為や不正、ミスやエラーなどが行われることなく、組織が健全かつ有効・効率的に運営されるよう各業務で所定の基準や手続きを定め、それに基づいて管理・監視・保証を行うことを意味し、通常使われるコンプライアンス体制と呼ばれている概念よりも広く、情報管理・危機管理も含まれている。
内部統制システムは、取締役会でこれを決定せねばならず(会社法362条4項6号)、大会社である取締役会設置会社では、その決定が義務付けられていて(同条5項)、具体的な内容については法務省令(会社法施行規則)で規定されている。
2006年6月に成立した金融商品取引法における「当該会社の属する企業集団及び当該会社に係る財務計算に関する書類その他の情報の適正性を確保するために必要なものとして内閣府令で定める体制」についても一般に「内部統制システム」と呼称されるが別概念である。
業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制
(会社法施行規則第100条)
- 取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
- 損失の危険の管理に関する規程その他の体制
- 取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
- 使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
- 当該株式会社並びにその親会社及び子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
- 取締役が株主に報告すべき事項の報告をするための体制(監査役設置会社以外)
- 監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項(監査役設置会社)
- 前号の使用人の取締役からの独立性に関する事項(監査役設置会社)
- 取締役及び使用人が監査役に報告をするための体制その他の監査役への報告に関する体制(監査役設置会社)
- その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制(監査役設置会社)