EUファンドパスポート制度
- 英語
- Undertakings for collective investment in transferable securities
- 同意語
- UCITS , ユーシッツ
- 関連語
- ファンドパスポート制度
ファンドのクロスボーダー化を促進するために、欧州委員会が制定したファンドパスポート制度のことで、UCITSは元々は「譲渡可能証券の集団投資事業(Undertakings for Collective Investment in Transferable Securities)」の略であり、 EU指令(UCITS 指令)に準拠するファンドを指すが、ファンドパスポート制度のことも指す。
1988年に導入され(当初の参加国はアイルランド・ルクセンブルク・デンマーク・イギリス・スペイン・フランスの6ヵ国)て以降、UCITS制度が改善されるにつれ規模が拡大し、近年では、販売地域がアジア・アメリカ・中東・アフリカに拡大し、欧州のファンドの約7割を占めるといわれている。
UCITS指令に加盟する国において、UCITSライセンスが付与されたファンドは、他の加盟国でも販売可能となるとともに、情報開示基準やファンド運用に係る投資規制等の基準を設けられているため、リスク水準が明確化され、個人投資家が保護されているため、流動性や透明性が担保されたファンドとして、機関投資家からの需要も高い。
しかし、運用業務等に関する制度や規制が UCITS加盟国により異なり、ファンドの販売も含めた運用業務にコストや時間がかかることがあるため、欧州域内でクロスボーダーUCITSが伸び悩んでいて、UCITSの過半数が所属国のみで販売されているとみられている。
UCITS指令の変遷
- UCITS I(1985年制定、1988年導入)
- ファンドに関する欧州域内共通の規則の制定
- 欧州域内での販売が可能に
- 投資対象は伝統的資産(株式・債券)に限定
- UCITS II(EU加盟国間の調整が不調に終わり立ち消えに)
- UCITS III(1998年制定、2001年導入)
- 管理会社が行うリスク管理に関する規制強化
- ヘッジを目的としない(レバレッジ目的の)デリバティブ投資を可能とするなどの投資可能資産の拡大(開始は2007年)
- UCITS IV(2009年制定、2011年導入)
- 管理業務に関する制度改善
- ファンドの運用業務に関する制度の国際的整備
- 投資家への情報開示の強化
- 国籍を越えたファンドの合併に関する制度改善
- UCITS V(2014年制定)
- 預託機関に関する規定の整備
- 管理会社に適用される報酬方針及び制裁措置に関する規定を見直し