EV
- 日本語
- エンベディッド・バリュー , 潜在価値
- 英語
- Embedded Value
「貸借対照表上の純資産の部の金額に必要な修正を加えた修正純資産」と、「保有契約から生じる将来の税引後利益(法定の責任準備金積立を前提とし、一定水準の資本を維持する費用を控除した後の利益)の現在価値である保有契約価値」を合計したもののことで、一般の事業会社と比較して、利益の実現に長い期間を要する生命保険会社の企業価値・業績を評価する指標のひとつで、保有契約から生じる将来の利益を現時点で評価することができることから、現行の財務会計を補完する指標の一つとして有用とされていて、生命保険会社の株価指標としては、株価収益率(PER)や株価純資産倍率(PBR)よりも、株価をEVで除した株価EV倍率が用いられることが多い。
また、EVの計算手法、開示内容について一貫性および透明性を高めることを目的に、2004年に欧州の大手保険会社の最高財務責任者(CFO)で構成されるCFOフォーラムによってEEV(European Embedded Value)原則が制定され、EVは「対象事業における総リスクを十分に認識した上で、対象事業に割り当てられた資産から得られる分配可能利益の中の株主分の現在価値」と定義され、全てのリスクを勘案して潜在価値を算出することが求められている。