店頭デリバティブ
- 英語
- Over-the-counter derivatives
- 同意語
- OTCデリバティブ
- 反意語
- 市場デリバティブ , 上場デリバティブ
証券取引所等の公開市場を介さず、当事者同士が相対で取引を行うデリバティブのことで、取引規模としては市場デリバティブよりも店頭デリバティブの方が圧倒的に大きい。
店頭デリバティブで取引されるデリバティブの原資産は金利と為替が多く、日本においては金利スワップが店頭デリバティブ取引の70%超を占めている。その他に為替予約、通貨オプション、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)、商品先物取引、天候デリバティブ、バリアンススワップ、差金決済取引(CFD)など多様なデリバティブが取引されていて、外国為替証拠金取引(FX)も一部は店頭デリバティブに類型される。
店頭デリバティブは、市場デリバティブと比べて相対取引特有の柔軟な契約が可能であるというメリットがあるが、相対取引であることによる不透明さや当局も全体像を把握しづらいことから、2007年からの世界的な金融危機とそれに伴うリーマン・ショックに見られるシステミック・リスクの増大効果が世界で広く認識されるようになった。
2007年からの金融危機の後に、新たな金融危機を防ぐために世界規模でのマクロ・プルーデンス政策の整備が求められ、その一環として標準化された店頭デリバティブ取引は全て電子取引で扱われ、中央清算機構を介した決済が行われるべきであるとされたが、金融機関からは反発も大きく、規制の施行には至っていない。