VaRショック
- 関連語
- バリュー・アット・リスク
2003年6月17日に起きた東京債券市場の暴落のことで、株価の低迷に伴い債券での収益拡大の狙った銀行等の金融機関が必要以上にポジションを積み上げ、異常なほどの超低金利を演出し債券バブルに近い様相となっていた中で、6月17日に日経平均株価が9000円台を回復し、この日実施された20年国債の利率が1%割れのクーポンとなり、大手投資家などが超長期国債の購入を手控えたことをきっかけにして、債券相場が急落し、長期金利は当時の過去最低である0.430%から、2カ月で1%程度上昇した。
債券相場の急落の背景としては、株価の上昇とそれを裏付けるような好調な経済指標といった景況感の変化によるものに加え、金融機関のリスク管理モデルとして普及していたバリュー・アット・リスク(VaR)は、相場の変動幅拡大すると、保有可能額が強制的に縮小されるため、債券価格が一定の幅を超えて下落をきっかけとして、金融機関のリスク許容度が急速に低下し、売りが売りを呼ぶ展開となり、歴史的な暴落を引き起こした。