債券発行体料金負担方式
- 英語
- issuer-pays system
- 関連語
- 格付会社 , リーマン・ショック , S&P.エンロン.ワールドコム.リーマン・ショック
債券の発行体が格付会社に料金を支払い自らの債券の格付を取得する方式のことで、債券の発行体自体が料金を支払うため、格付け会社の査定が甘くなり、実態より上位の格付けを与えてしまう格付けインフレ(rating inflation)が以前から指摘せれていて、2008年のリーマン・ショック等の金融危機の一因とされる。
1970年代までは、投資家が格付会社に料金を支払い特定の債券の格付けを依頼する「投資家料金負担システム(investor/subscriber-pays system)」が主流であったが、ある投資家が特定の債券の格付けを依頼すると、その格付け結果を他多数の投資家が料金を支払うことなく利用できる「ただ乗り」問題が起きるとともに、依頼主が投資家であれば発行体の情報が十分に網羅できないと指摘する問題もあり、1974年にスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が「発行体負担」方式に転換してこれが主流となった。
債券発行体料金負担方式は2000年代初めの大手エネルギー会社エンロンや通信大手ワールドコムが破綻した際、リーマン・ショックの際にも格付けインフレが問題視されたが、証券取引委員会(SEC)はいづれも具体的な変更案を示せず、料金負担の問題の難しさを示している。