グリーン・ボンド
- 英語
- Green Bond
- 同意語
- GB
気候変動・水・生物多様性対策等、環境に好影響を及ぼす事業活動に資金使途を限定した債券のことで、環境事業向けの資金調達を行いたい、あるいは資金調達に応じてくれる投資家の幅を広げたい発行体と、環境に配慮していることをアピールしたい投資家のニーズが合致して、グリーンボンドは誕生した。
世界初のグリーンボンドは2007年欧州投資銀行(EIB)によって発行されたもので、当初の発行体は世界銀行等の開発金融機関に限定されており、ニッチな商品であったが、ESG投資への関心の高まりから2013年に民間企業による発行が始まって以降急成長し、2015年12月には、11兆ドル超の資産を運用する27の投資家らにより、投資商品としてのグリーンボンドを歓迎する「パリ・グリーンボンド宣言」が採択される等注目されている。
また、2014年には、国際資本市場協会(ICMA)が、グリーンボンド市場の透明性向上と情報公開を目指すグリーンボンド発行時の自主的ガイドラインであるグリーンボンド原則(GBP)を公表している。(以降毎年改訂版を公表)
グリーンボンド原則(GBP)のフレームワーク
- 調達資金投資先(グリーンプロジェクト)の要件
資金使途の適格基準を明確にする項目でグリーンボンドと称して資金調達を行う事業に対しては、債券発行体が出来る限り定量化した環境へのベネフィットを明確に示すことが求められている。
- 対象事業プロジェクトの評価選定手順
資金使途や環境面での目標を踏まえ、対象事業を評価・選定プロセスを示す項目で、透明性確保のために、外部レビュー(セカンドオピニオン(SO))の活用を推奨している。
- 調達資金の管理
発行体が調達資金を適切に管理し、資金使途以外に利用されない仕組みの有無を確認する項目で、透明性を確保するために、監査人の起用や第三者機関による監査が推奨されている。
- 報告
発行体が資金使途の結果を都度更新しているかを確認する項目で、資金が充当されたプロジェクトの概要、金額、想定されるインパクト等を公開することが求められている。(インパクトについては定量的指標、定性的指標、その主要な評価手法や評価仮説等の記載を推奨)
2016年の改訂で、付帯資料としてGBP4原則をソーシャルボンド発行に適用するための「ソーシャルボンド発行体へのガイダンス」(Guidance for Issuers of Social Bonds)を追加。