トルコ通貨危機
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- Turkish currency crisis
2000年11月に経常収支赤字などへの懸念と金融スキャンダルが重なり、金融システムに対する信用不安が高まり、インターバンク市場で一部の銀行に対する貸し渋りが発生して金利が高騰し、大規模な資本流出につながったが、12月初めにIMFが補助準備制度(SRF)から75 億ドルの緊急支援策を発表し、事態はいったん沈静化した。
しかし、2001年2月に月例の国家治安評議会(MGK)でセゼル大統領とエジェビット首相が対立し、「国家の深刻な危機」として公表されたため、連立政権崩壊､総選挙､経済構造改革の後退といった憶測を生み、株価の暴落、金利の高騰が起き、国営銀行2行の民間企業に対する債務で不覆行が生じた。民間銀行は代わりに中央銀行にトルコ・リラを求めたが、中央銀行は当時の政策に従い、外貨との交換でなければトルコ・リラを供給しなかったため金融不安が拡大させ、外国為替市場ではトルコ・リラ切り下げを恐れたトルコ・リラ売り・ドル買いが急増し、クローリング・ペッグ制を維持するための外貨準備を枯渇させたため、クローリング・ペッグ制の放棄と変動相場制への復帰を余儀なくされ、これに伴う通貨価値の下落は、トルコ経済に大きな損害を与えた。
