投資用語集

ブレグジット

日本語
イギリスのEU離脱
英語
Brexit
関連語
リスボン協定 , パスポーティング
カテゴリ
国際情勢 ,

イギリスのEU離脱のこと。

ギリシアをはじめとしたユーロ圏の債務問題や統合深化が進むEUに主権の一部が移されること等のEUへの不信感からイギリスではEU離脱の声が根強く、2015年5月の総選挙では加盟条件に関するEUとの調整を行った上で、EU残留の是非を問う国民投票を行うというマニフェストの与党保守党が勝利し、EU残留・離脱を問う国民投票を行うことになり、2016年6月23日の国民投票では、僅差ながら離脱派が過半数を占め(離脱支持が17,410,742票で得票率51.9%、残留支持が16,141,241票で得票率48.1%)、イギリスはEUと離脱交渉を行うこととなった。

EUからの離脱は、イギリスがリスボン協定第50条に基づきヨーロッパ理事会に離脱の意思を通知し、イギリスとEUとの間で将来の両者の関係の枠組みを決める離脱協定について交渉し、ヨーロッパ議会の同意を得てヨーロッパ理事会が最終決定を行い、その離脱協定の発効にあわせて、イギリスに対するEUの条約の適用が停止される(正式に離脱)ことになる。ただし離脱交渉には2年の期限があり、理事会が全会一致で期限延長を認めない場合、EUとの協定無しに離脱することとなる。

イギリスのEU離脱条件については今後の交渉次第であるが、イギリスがEUを離脱する場合にイギリスが続けてEU単一市場へ参加を認められるべきか否かについて、欧州各国の意見が分かれているため、離脱協定の交渉は難航するとみられ、EU加盟国に認められる労働者と資本、モノ、サービスの自由な移動という経済的なメリットを失うことになり、イギリスのみならず世界経済に大きな影響を与える可能性やパスポーティング制度の利点を失うロンドンの国際金融都市としての競争力低下等が懸念されている。

また、イギリスの国民投票の結果を受け、フレグジット(フランスのEU離脱)やスウェグジット(スウェーデンのEU離脱)、ジャーグジット(ドイツのEU離脱)、スペグジット(スペインのEU離脱)、チェグジット(チェコのEU離脱)等の他国へのEU離脱の連鎖の可能性もしてきされていて、これまで拡大と深化を続けてきたヨーロッパ統合の動きが大きな岐路に立たされている。

リスボン条約の第50条

  1. いかなる加盟国もそれぞれの憲法上の求めに応じ欧州連合からの脱退を決意することが出来る。
  2. 脱退を決めた加盟国は欧州理事会にその意向を伝えることが求められる。欧州連合は、欧州理事会から示された指針を考慮し、脱退の手順についての取り決めと脱退後の欧州連合との関係の枠組みについて、当該加盟国と協議し結論を下す。(中略)上記の合意は欧州議会の同意を得た後に、欧州連合に代わって欧州理事会が条件付きの多数決で決議する。
  3. 脱退合意の発効日もしくは第2項に記された(加盟国の脱退意思の)通知から2年が経過した後、欧州理事会が当該国との合意の下で上記期限の延長を全会一致で決議する場合を除いて、当該国に対する(欧州連合に関する)条約の適用は停止される。
  4. (中略)
  5. 脱退した国が欧州連合への再加入を求める場合、第49条に記された(新規加入申請時の)手順に従うこととする。

カテゴリー「国際情勢」の他の用語

カテゴリーの用語一覧 >

マカフィー・ストア

ページの先頭へ