ボルカー・ルール
- 英語
- Volcker Rule
- 関連語
- ドット・フランク法
金融システムの安定を図るために、預金を通じて資金調達を行う商業銀行は、顧客のためになる場合を除き、預金者の預金を危険にさらす投機的投資の実施が制限されるべきという考え方に基づき、銀行(預金保険対象金融機関、銀行持株会社及びこうした機関の子会社)による、対顧客関連を除く自己勘定取引やヘッジファンド等への出資を禁止することを柱とした金融規制改革法(ドット・フランク法)における規制のことで、金融機関による短期の利益が目的でないマーケットメーク、リスクをとらない売買の執行、ヘッジとしての証券の購入・保有、政府系機関が発行する債券、地方債の自己勘定取引やTier1資本の3%以内且つファンド総出資額の3%以内のヘッジファンドへの出資は認められる等相当な適用除外が定められいる。
ボルカー・ルールを順守するため、モルガン・スタンレーやJPモルガン・チェース、ゴールドマンサックス等ウォール街の金融機関は、トレーディング部門の閉鎖や縮小を進めていて、金融関係者からは、金融市場の流動性が低下し、企業の借り入れコストや取引コストが上昇すると批判を浴びている。