QE3
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- 量的金融緩和第三弾
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- Quantitative Easing 3
FRBが2012年9月13日の連邦公開市場委員会(FOMC)で導入を決定した量的緩和第3弾のことで、事実上のゼロ金利政策の継続期間も2015年半ばまで延長するとともに、住宅ローン担保証券(MBS)の追加購入をオープンエンド方式(総額の購入額を定めない方式)で月400億ドルの規模で、「雇用情勢が著しく改善するまで」(バーナンキ議長)は購入し続ける異例の政策であり、住宅ローン金利を引き下げ、2008年の金融危機以降、低迷を続ける住宅市場をテコ入れするのが狙いで、景気回復に不退転の決意を示している。
QE3でのMBSの購入額は月400億ドルで、8カ月で計6000億ドルの米国債を購入したQE2に比べると月単位の規模は小さいが、雇用状況の改善という高いゴールを設け、具体的な期限を示していないことから、市場では購入は1年以上の長期に及ぶとの見方が強く、資金供給総額は相当規模に膨むとみられる。
しかし、株式のバリュエーションも企業の利益水準も低い状態で、大規模な財政出動とともに行ったQE1・QE2とは異なり、米国の長期金利はすでに歴史的な低水準にあり、他国も緩和策を実施しているため、ドル安効果も限られた状態で、政府が緊縮策へ舵を切った中で大規模な財政出動を伴えないQE3による景気下支え効果は限定的と疑問視する声があり、将来的なインフレリスクという副作用を懸念する見方も根強い。