投資用語集

マイナス金利

英語
negative interest rate
カテゴリ
経済・金融政策 ,

金利がマイナスになることで、通常はマイナスになることはないが、2012年1月初めにドイツ行った6カ月もの国債入札結果が-0.0122%となり、国債の発行市場での入札で初めてマイナス金利を記録し、当初はギリシヤ不安等を背景としたパニック的な異常現象だという見方も強かったが、2012年6月以降は欧州主要国の国債流通市場において短期国債を中心にマイナス金利が度々発生するようになった。

また中央銀行が政策金利をマイナス金利にすることもあり、1972年に資金流入抑制のための課税としてマイナス金利をスイスの銀行への新規在外預金に適用した例や、2009年から2010年にかけてスウェーデンが、2012年7月からデンマークが一定額を超過した準備預金に対しマイナス金利を導入した例がある。

市中銀行が預金金利をマイナス金利にすることもあり、ユーロ地域での債務危機が深刻化する中、UBS(Union Bank of Switzerland)は、安全資産とみられるスイスフランへの資金流入が続き、預金量が大幅に増える一方で低金利で運用が難しいスイスフランの持ち高を減らす目的で、2012年12月よりスイスフラン建て預金から手数料徴収の形でのマイナス金利導入を導入し、クレディスイス(Credit Suisse)は、銀行間の取引に利用される一定額以上の残高のあるスイスフラン建ての預金にマイナス金利を適用した例や、アメリカやカナダの一部の銀行で特定の通貨建ての一部の預金にマイナス金利を適用する例などがある。

実質的に預金課税を意味するマイナス金利は、新たな運用先を見つけることが困難な現在の低成長経済の下では、金融システムの収縮をもたらす可能性もあるが、実体経済への資金流入と低金利により実体経済が活性化する可能性もあり、金融業界にメリットが多く実体経済にデメリットを与えかねない通貨増刷よりも、金融・実体経済双方への長期的なメリットがあるという見方もある。

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