長期資金供給オペ
- 英語
- long-term refinancing operation
- 同意語
- LTRO , 長期リファイナンス・オペ
欧州中央銀行(ECB)が民間銀行のマクロ的な資金過不足に対する従たる調整手段と位置付けられる公開市場操作のこと。
従来の融資期間は最長1年余だったが、2011年12月のオペから、融資期間が3年に延長され、民間銀行がこの資金供給を受けるのにECBへ差し入れる資産担保証券(ABS)などの担保の適格要件を緩和することに加え、目標金額を定めず民間銀行が必要とする金額すべてを供給することに決めたことを受け、2011年12月のと2012年2月の2回のオペで資金繰りに苦しむイタリアやスペインの銀行を中心に供給額がそれまでの数十倍の1兆ユーロを上回り、この変更をECB版「量的緩和(QE)」の始まりと位置づけるアナリストもいる。
LTROの金利が1%に固定されているため、調達された資金が欧州国債買いに充てられ、ギリシャ問題の飛び火が懸念されたイタリアなどの国債利回り低下に大きく貢献したとも言われるが、ECBへの依存度を高めた民間銀行の3年後には再び資金繰り悪化に陥るとの見方もある。