グリーンスパン・ドクトリン
- 英語
- Greenspan Doctrine
- 関連語
- ブラックマンデー , グリーンスパン・プット , バーナンキ , アラン・グリーンスパン
資産バブルは金融政策によって予防するのは困難であり、中央銀行が打てる対策はあまり無いため、中央銀行はバブル崩壊後に事後処置として金融緩和を迅速かつ急激に行い経済への悪影響を最小限に食い止める混乱収束に専念するのが最善策であるという考え方のことで、グリーンスパンFRB議長が米国株暴落「ブラックマンデー」に対し、迅速な流動性供給によって株式市場クラッシュの実体経済への悪影響阻止に注力したことで確立された。
資産価格の上昇が経済のファンダメンタルズによって正当化できるものか、投機的な活動によるものかを見分けるのは非常に難しいこと、バブルを早期判定できても、経済全体に深刻なダメージを与えることなくバブルを破裂させるのは非常に難しいこと、資産価格の上昇をスローダウンさせるための予備的に小幅な金利引上げ等は、かえって投資家が価格上昇には根拠があると思わせてしまい失敗すること等がグリーンスパン・ドクトリン採用の理由ではあるが、政策当局者を市場安定化の責任から解放してしまったこと、グリーンスパン・ドクトリンが、グリーンスパン・プットと呼ばれるモラルハザードを招き、かえってバブルを誘発したといった批判もある。
またグリーンスパン議長の後任のバーナンキ議長は、グリーンスパン・ドクトリンを見直し、資産価格と金融政策を再検証し、規制権限の強化によるバブル退治を検討している。