フォワード・ガイダンス
- 日本語
- 時間軸政策
- 英語
- forward guidance
現状の金融政策姿勢の時限や政策終了の条件を予めコミットして実施する政策のことで、制約下限制約(Zero Lower Bound)等により追加の政策手段が限定された政策当局が将来にわたっても金融緩和を続けるとコミットすることにより、政策解除の時期等に将来に関する市場の期待を誘導して政策効果を高めることを目的としている。
日本では2001年3月の日銀の量的緩和政策導入の際に「インフレ率が安定的にゼロ%以上になるまで継続する」ことをコミットしたことで初めて採用され、米国では2008年12月に、FOMCが政策金利であるFF金利の誘導レンジを0?0.25%に設定した際に初めて用いられ、当初は金融緩和の継続期間について「しばらくの間」という曖昧な言葉が使われていたが、2011年8月には「少なくとも2013年央まで」という暦ベースのフォワード・ガイダンスが初めて採用され、2012年9月に導入したQE3において、事実上のゼロ金利政策の継続期間も2015年半ばまで延長するとともに、住宅ローン担保証券の追加購入をオープンエンド方式で月400億ドルの規模で「雇用情勢が著しく改善するまで」とコミットしたこと等様々な政策に用いられている。