近隣窮乏化政策
- 英語
- beggar thy neighbor policy
貿易相手国に失業などの負担を押しつけることによって自国の経済回復と安定を図ろうとする経済政策のことで、為替相場切下げによる国内産業の国際競争力の増大や関税引上げ等による輸入抑制策、輸出補助金等による輸出促進政策よりる国内産業の保護・育成により、乗数効果により国民所得は増加し、失業は減少するが、貿易相手国からすると、通貨高による国際競争力の低下、輸入の増大と輸出の減少、雇用の減少を引き起こすことになる。
近隣窮乏化政策がとられると、相手国側も報復措置をとる場合が多く、世界大恐慌後の1930年代に主要国による通貨切り下げ競争、ブロック経済化が、国際経済の沈滞と植民地獲得競争をもたらし、第二次世界大戦の遠因となったという反省から、戦後は国際通貨基金(IMF)、関税および貿易に関する一般協定(GATT)(現在は世界貿易機関(WTO)に継承)等のにより原則的に禁止されている。