経済通貨同盟
- 英語
- Economic and Monetary Union
EUにおける通貨統合を実施に移すための通貨同盟のこと。
1970年10月に、ピエール・ウェルナー(Pierre Werner)を委員長とする特別検討委員会は10年間に3段階でEMUへの移行を勧告する報告書(「ウェルナー報告書」)を提出したが、ニクソン・ショック、オイル・ショックにより失敗に終わった。
しかし、1989年4月に欧州委員会委員長ジャック・ドロール(Jacques Delors)が発表した3段階による通貨統合の道を定めた「ECの経済・通貨同盟に関する報告書(ドロール報告書)」に基づき、1990年からの域内市場統合の完成、資本移動の完全自由化、EC全加盟国のEMSへの同一ルールによる参加等による現行の枠組みの下で各国の経済・通貨政策を調整し、各国経済の収斂を促進する第1段階、1992年のマーストリヒト条約調印、1994年からの欧州通貨機構(EMI)を経ての欧州中央銀行(ECB)及び欧州中央銀行制度(ESCB)制度を設立する第2段階、各国が金融政策上の独立性の放棄とESCBによる単一の金融政策の実行、為替レートの恒久的固定化とそれに続く単一通貨ユーロの導入による第3段階というプロセスを経て、1999年1月、EMUが創設された。