アジアインフラ投資銀行
- 英語
- Asian Infrastructure Investment Bank
- 関連語
- アジア開発銀行 , 新シルクロード経済圏構想
- 関連サイト
- AIIB
日米が主導するアジア開発銀行(ADB)では賄いきれない増大するアジアにおけるインフラ整備のための資金ニーズに、代替・補完的に応えるということを目的として、中華人民共和国が提唱し主導する形で設立を目指しているアジア向けの国際開発金融機関のことで、世界第2位の経済大国になった中国が、IMFやADBなど既存の国際機関で発言力の向上が進まないことへの不満や中国企業の海外進出の思惑等から独自の構想に動いたもの。
アジア諸国は深刻な投資資金の不足に悩んでいるが、域内のインフラ需要は向こう10年で8兆ドルと巨額であり、中国への警戒感が薄く、AIIBへの関与が成長市場のアジアでのビジネス拡大の好機になるという経済的実利から、イギリス、ドイツ、フランス等ヨーロッパの主要国を含む5大陸51の国と地域が参加を表明している(うち42カ国はADB加盟国)。
AIIBの資本金は当初500億ドル、最終的には1,000億ドルとし、出資の75%はアジア地域、残り25%をアジア域外から調達し、経済規模に応じて個別の出資比率が決められることとなっていて、中国が出資比率で大きな比率を占めるとみられている。
しかし、アジアインフラ投資銀行と競合することになるアジア開発銀行の筆頭出資国であるアメリカと日本は、中国のアジア地域への影響力が強くなることを懸念すると共に、AIIBの組織運営や意思決定プロセス、審査基準等の不透明さ等を理由とし参加を見送っている。
また、中国の生産能力過剰問題の解決策としての「新シルクロード経済圏構想」に科学の投資をすることが見込まれ、中国の国策に利用されるとの見方もある。
AIIBの創設メンバー57カ国
- アジア:19カ国
中国、韓国、インドネシア、カンボジア、シンガポール、タイ、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、ラオス、インド、バングラデシュ、モルディブ、モンゴル、ネパール、パキスタン、スリランカ
- 旧ソ連:7カ国
ロシア、カザフスタン、ウズベキスタン、タジキスタン、アゼルバイジャン、キルギス、ジョージア
- オセアニア:2カ国
オーストラリア、ニュージーランド
- 中東:9カ国
サウジアラビア、カタール、オーマン、クウェート、UAE、ヨルダン、トルコ、イスラエル、イラン
- アフリカ:2カ国
エジプト、南アフリカ
- 欧州:17カ国
英国、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、ポルトガル、スイス、ルクセンブルク、オーストリア、オランダ、デンパーク、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、アイスランド、ポーランド、マルタ
- 中南米:1カ国
ブラジル