投資用語集

ASEAN経済共同体

同意語
AEC
関連語
ASEAN , ASEAN共同体 , AFTA , WTO , CLMV
カテゴリ
国際組織 , A

1993年に発効したASEAN自由貿易地域(AFTA)を原型とし、域内自由化の対象をモノの貿易だけでなく、サービスや投資にも広げ、発展させること目指し2015年末に設立された経済共同体のことで、6億2000万人の人口を擁する単一市場と生産基地が成立し、そのGDPの規模は約2兆5700億ドルとなる。

ASEAN経済共同体は、2001年の中国の世界貿易機構(WTO)加盟以来、輸出市場で競合し劣勢に立たされている状況を打破するため、モノの貿易の自由化に加え、サービス、投資、資本、技能労働者の自由な移動を促し、生産基地としてのASEANの魅力を増し、市場、情報、資本、技術等の経営資源を合わせて規模の経済を実現することも目的としていて、そのために「単一市場と生産基地」「競争力のある経済地域」「公正な経済発展」「グローバル経済への統合」の4つの目標を掲げている。

ASEAN経済共同体ブループリントの進捗と課題

  • 物品貿易

    関税撤廃については、ASEAN6(ブルネイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ)は99.2%撤廃済み、CLMV諸国は2015年までに93%,2018年までに100%撤廃予定。

    物品の域内自由移動を実現するための法的枠組ASEAN物品貿易協定(ATIGA)が2010年に発効したが、関税撤廃については進展していが、非関税障壁は撤廃に進展が見られない。

  • サービス貿易

    10回のパッケージ交渉により128分野での自由化を目指すASEANサービス貿易枠組協定(AFAS)により、第1モード(越境取引)・第2モード(国外消費)は完全自由化が進展しているが、第3モード(拠点の設置)については、ASEAN企業に対する外資出資率70%以上の開放が目標となっているが、自由化が限定的な分野も多い。

  • 投資

    製造業等の分野における内国民待遇、経営幹部の国籍要件等について自由化を定めたASEAN包括的投資協定(ACIA)が2012年発効。ACIAの留保表に記載される自由化例外分野の削減を目指している。

  • 人の移動

    サービス貿易の枠組みの下での第4モード(人の移動)自由化は熟練労働者に限って実施していうが、ビジネス訪問者、企業内転勤者等の自由な移動を規定する 「ASEAN自然人移動協定」は未発効。また,資格の相互承認協定(MRA)については、8分野(エンジニアリング,看護,建築,測量技師,会計,開業医,歯科医,観光)で協定を作成しているが、各国の締結手続進捗により実施についてはばらつきがある。

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