自然失業率
- 英語
- non-accelerating inflation rate of unemployment
- 同意語
- NAIRU , インフレ非加速的失業率
- 関連語
- フィリップス曲線
長期的に見て、インフレ率に関係なく、一定の水準で存在する失業者の割合のことで、完全雇用が達成される状態にあっても、産業構造の変化や技術革新の進歩、人口の高齢化、失業保険等の社会保障の充実など、社会や経済の構造上の理由からどうしても避けられずに存在してしまう失業率を指す。
英国の経済学者フィリップスは、景気が悪くなれば失業率が高まってインフレ率は低くなり、景気が過熱し失業率が低くなればインフレ率は上昇するというように、失業率とインフレ率の間にはトレード・オフの関係(フィリップス曲線)があるがとしたが、米国の経済学者ミルトン・フリードマンは、長期的にみれば、失業率はインフレ率に関係なく一定水準(長期フィリップス曲線は垂直になる)と主張し、ケインジアンが主張する非自発的な失業率をなくすためのマクロ政策はインフレを増幅させるなど経済の不安定性を招くことになると批判している。