連鎖式CPI
- 日本語
- 連鎖式消費者物価指数
- 英語
- chained consumer price index
- 関連語
- 連鎖方式 , CPI
従来の固定基準ラスパイレス指数方式の消費者物価指数(CPI)では、基準時から時間が経過するにつれ、世帯の消費構造が、新しい商品の出現や嗜好の変化など様々な要因で基準時点のものとは変化し、それがバイアスとなって、統計の正確性に影響を与えることもあったために、ウエイトを基準年のものに固定するのではなく、毎年更新し、ラスパイレス方式で作成した指数に前年との伸び率を掛けあわせて指数を作成することで、消費構造の変化をより迅速に反映させ、バイアスの影響を軽減した消費者物価指数のこと。
連鎖式CPIは、総務省統計局が基本分類指数の公表と併せて毎月参考指数として公表していて、日本銀行でも2011年10月の展望リポートからを参考指標として扱っている。
一般的に、代替性を持つ財・サービス間で価格変化があると、相対的に割安になったほうの需要が増えるために、ウエイトを毎年更新することにより、相対的に割安になった財・サービスのウエイトが大きくなり、その結果連鎖CPIは、変化率がプラスのときは、連鎖指数の方が上昇幅が小さくなり、マイナスのときは下落幅が大きくなる傾向がみられる。
連鎖CPIは、ラスパイレス方式のCPIと比べ、バイアスを持たないという利点があるため、正確性に優れるという利点があるが、毎時の指数の伸び率を掛け合わせるという過程を経るため価格が上昇と下落を繰り返している品目がある場合、指数が高めになる「ドリフト」と呼ばれる現象が起きるおそれや、総合指数作成後に伸び率を掛け合わせて作成するため、個別の指数を足していっても総合指数と値が一致しない加法整合性の問題があるために、現在では、公式指数ではなく、参考指数の扱いとなっている。