資本保全バッファー
- 英語
- capital conservation buffer
- 関連語
- バーゼルIII , 自己資本比率 , Tier1比率 , 普通株式等Tier1比率 , リーマン・ショック
リーマン・ショック及びその後の金融危機において、財務状況の悪化にもかかわらず、配当や自社株買い、役職員へ手厚い報酬等により資本を社外に流出させた金融機関が存在した結果、新規の貸出を妨げるなどして、経済状況の悪化を促進したとも考えられるため、バーゼルIIIにおいて、こうした事態を防止し、内部留保の蓄積を促すために導入された制度のことで、最低所要水準(普通株式等Tier1比率4.5%、Tier1比率 6%、総自己資本比率8%)に上乗せして、2.5%の積み上げが求められている。(従って、普通株式等Tier1は、最低所要水準と資本保全バッファーの合計で 7.0%の保有が必要。)
資本保全バッファーは、金融危機等のストレス時に取り崩し可能なバッファー(クッション)であり、2.5%というバッファー水準を割り込んでも、直ちに早期是正措置を課されるわけではないが、バッファー水準を割り込み、普通株式等Tier1比率の合計(最低所要水準+資本保全バッファー)が 7%を下回った場合、その程度に応じ、配当、賞与、自社株買い等といった資本の社外流出に制限が課される。