ベイル・イン
- 英語
- bail-in
- 反意語
- ベイル・アウト
経営危機にある金融機関を債権者が債務の削減・減免や返済猶予・普通株式への転換等の形で負担し、破綻から救い出す救済方式のことで、リーマン・ショックの際に、米政府が公的資金を投じて救済するベイル・アウト方式が使われ、納税者の怒りを買っったことを受け、G20の規制当局と中央銀行で構成する金融安定理事会(FSB)で、公的資金を投入した銀行救済を回避する方法として、このベイル・イン方式を国際的ルールとして策定する計画が打ち出された。
日本では、公的資金注入による大規模金融機関のベイル・アウトは前提として残こし、債務超過等の場合に、劣後債、優先株式、劣後ローンの3種類のみに限定してベイル・インが、2014年改正の預金保険法で導入された。
EUでは、ユーロ圏内の銀行に対する監督や支援を一本化し、強化する銀行同盟計画の一部として2018年に導入予定(前倒し導入の可能性も)であるが、2013年のキプロス危機では、銀行の株主や債券保有者だけでなく、従来のタブーを破って大口預金者にも再編コストを負担させ、ユーロ圏で混乱が生じた前例があるため、市場に悪影響が及ぶ懸念もある。
ベイル・インは新たな救済措置であるため、金融機関の資金調達コストに与える影響等留意すべき点もまだ多いと言われている。