標準必須特許
- 英語
- standard essential patents
- 同意語
- SEP , 規格必須特許
- 関連語
- FRAND
侵害することなしに標準規格に準拠した製品の製造やサービスの実施ができない不可欠な特許のことで、当該特許を侵害することが不可避となる一方で、特許権者が不当に高額なロイヤルティを要求した場合には、第三者が当該標準に適合的な製品を製造することが不可能または第三者製の製品が極めて高額となり、著しい競争制限状態となり得る (ホールドアップ問題) ため、特許権保有者には所有(及び所有予定)特許に対して「公正、合理的かつ非差別的にライセンスする旨の意思表示(FRAND宣言)」を課すことが通常になっている。
しかし情報通信の分野等では標準規格に1000件以上の必須特許が存在するケース(LTE技術では5000件以上)もあり、標準規格策定時にFRAND宣言されていない特許が存在していた場合、事業会社が全ての特許をチェックすることは実質困難であるため、標準規格が広く導入された後に高額なライセンス料の獲得を目的として権利行使するというホールドアップ問題が発生しうることが従来から認識されている。
また標準必須特許を巡って差止請求を起こす事例が多くあるが、近年では必須標準特許の濫用とみなし、適正なライセンス料しか請求しか認めない判決が相次いでおり、競合企業との競争力を高める上では有用ではなくなってきている。