花見酒の経済
- 同意語
- 花見酒経済
笠信太郎が、1960年代前半の日本経済を分析した「花見酒の経済」(1962年)の中で、落語の「花見酒」を例えにして用いた言葉で、身内で売買を繰り返すことで、見かけ上は売上が伸びたように見えるが、実質は変わらず場合によっては借金だけが残るような取引が行われているような経済のことで、バブル経済の例えとして用いられることが多い。
落語「花見酒」
二人の男が、向島で花見客に酒を売ってひと儲けしようと、酒を入れた酒樽を運ぶ途中、片方の者が自分の所持金を相棒に払って酒を一杯やる。カネを渡された相棒が、今度はそのカネを払ってもう一杯、すると片方の者がまたそのカネを払ってもう一杯......。それを繰り返して、向島に着いた頃には酒樽の酒がなくなっていた。二人はすっかり酔っ払い、売上げは所持金だけだったという噺。