gumiショック
2014年12月に東京証券取引所第1部に新規上場したスマートフォン向けゲーム会社のgumi(証券コード:3903)が、上場直後に業績を大幅に下方修正し、株価が急落した「事件」のこと。
上場時には2015年4月期に13億円の連結営業黒字を計上する計画を掲げていたが、2015年3月5日に一転して4億円の赤字に転落する業績予想の修正を発表し、翌3月6日には、1月30日に運転資金のための30億円の銀行借り入れをしていたことを発表したため、同社株式は連日で制限値幅の下限(ストップ安水準)まで下落した。
また、同社の國光宏尚社長が上場後のベンチャーの株価が公開価格を下回り続けているにもかかわらず、株を売った創業者やベンチャーキャピタル(VC)だけが儲ける上場ゴールを批判してきたにもかかわらず、財務担当責任者らを中心に経営陣の株放出が発覚、公募よりVCの売り出しが多かったこともあり、自ら上場ゴールを体現したことにも批判が集まっている。
事態を重く見た東証は、日本証券業協会と日本公認会計士協会にIPOの取り組み強化を求める文書を通知し、証券会社や監査法人に新規上場企業の業績予想について、前提条件や予想の根拠を開示するよう求めた。
また、投資家も次のIPO案件への投資に及び腰となるだけでなく、弱気になった証券会社が、これまでよりも慎重に企業の上場時の株価を見積もるようになり、IPO市場に冷や水を浴びせることとなった。