便宜置籍船
- 英語
- Flag of Convenience
- 同意語
- FOC
船舶登録料や船員の配乗で便宜が得られるなどの経済的な理由から、船舶の国籍を自国に登録しないで、パナマ国やリベリア国等の税金その他の点で便宜を与えている便宜国で船籍の登録がされる船舶のことで、1980年以降は世界の商用船舶の半数以上が、これら便宜置籍船である。
船主が便宜置籍船を選択する理由としては、国による租税公課の違いもさることながら、自国籍船に自国籍船員の配乗を義務付けられていて、自国籍船員費が相対的に高水準の場合、あるいは、船舶設備に関する規定が厳しいといったことなどから、相対的に資本コストが高くなるといった点がある。便宜置籍船の実質船主の多くは先進海運国籍企業であり、先進海運国は概して国や海運組合による規制、制約が厳しく、その結果これらの船主は便宜置籍国に系列法人を設立して不経済船をその法人に売却し、賃金の安い外国人船員を配乗させたうえで再用船するという事例や、新造船を第三者ないしは系列法人に建造させて用船する事例が見受けられるようになった。