フラッシュ・ボーイズ
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「ライアーズ・ポーカー」、「世紀の空売り?世界経済の破綻に賭けた男達」、「マネー・ボール」等で知られる米国のノンフィクション作家マイケル・ルイス氏の高速高頻度取引(HFT)に焦点をあてた本(『フラッシュ・ボーイズ(Flash Boys: A Wall Street Revolt)』)のことで、RBC(ロイヤル・バンク・オブ・カナダ)のニューヨーク支店で株式トレーディング部門を率いていた主人公ブラッド・カツヤマ氏がマーケットのおかしな動きを発見したことから調査を進め、HFTの違法ではないにしてもフェアとは到底言えない大口投資家を食い物にする問題に気づき、動向を退職し、同志とともに高頻度取引事業者によるフロントランニングを不可能にするような仕掛けを内蔵した、新しい証券取引所(IEX)を立ち上げるという内容。
2014年3月末に発売されると同時に米国アマゾンのベストセラー・ランキングの第1位となるなど大反響を呼ぶとともに、マイケル・ルイス氏はメディアにも積極的に出演し、「米国株式市場は操作されており、投資家は八百長ゲームが行われているカジノへ案内される間抜けな観光客のようなものだ」、「株価を始めとした情報の伝達スピードには格差が生じており、HFTを利用する業者・ヘッジファンド等が優遇され、一般の投資家は不利益を被っている」、「HFTを利用したフロントランニングが行われていることは明らかだ」等と辛辣に批判を行い、米国においてHFTを巡る議論が再燃するきっかけとなった。