コンセッション
- 英語
- concession
- 関連語
- PFI
特定の地理的範囲や事業範囲において、事業者が免許や契約によって独占的な営業権を与えられたうえで行われる事業の方式のことで、公共サービスのコンセッションの場合には、営業権を与えられて事業を実施する民間企業(コンセッショネア)は契約に基づき、国や自治体等が所有する空港や港湾、上下水道などの公共施設の運営、維持、投資を契約で定められた年数の間行い、固定又は変動(収入の一定割合)の金銭を国や自治体等のコンセッションの発注者に支払うことになる。
日本の公共サービス分野では、2011年の民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律(PFI法)により公共施設等運営権が創設されたことで、公共施設等の管理者(主に国や地方自治体)から公共施設等運営権を与えられた民間企業は、公共インフラの運営を行うことができるようになり、運営に民間ノウハウ導入による効率化とサービスの向上が期待させている。
対象となる公共施設は「公共施設等の管理者等が所有権を有する公共施設等(利用料金を徴収するものに限る。)」とされ、「道路、鉄道、港湾、空港、河川、公園、水道、下水道、工業用水道等の公共施設」、「賃貸住宅及び教育文化施設、廃棄物処理施設、医療施設、社会福祉施設、更生保護施設、駐車場、地下街等の公益的施設」等がPFI法第2条において列挙されている。
国は直接管理する国管理空港について、コンセッション方式を活用した空港経営改革を進めようとしていて、仙台空港について検討を進めるとともに、関西国際空港(関空)及び大阪国際空港(伊丹)についても潤沢なキャッシュフローを稼ぎ出す伊丹と多額の有利子負債が経営を圧迫する関空の一体経営による抜本的効率化、運営権の売却代金による債務返済を目的にコンセッション方式による運営委託が検討されていて、運営権の売却期間は45年で、企業連合が支払う運営権の対価は総額で2兆2000億円になるとみられ、2016年1月からの運営権移行が目指されている。
2014年6月に閣議決定された成長戦略改定版では、空港や道路等のコンセッションの拡大を掲げており、関空・伊丹は先行事例としても注目され、民間の資金需要創出の面でも期待されている。