国境税
- 英語
- border tax
- 同意語
- 国境調整税
輸出入品が国境を出入りする際に賦課または還付される租税のことで、輸入品に対して国内産品と同率の消費税の全てあるいは一部を課す輸入調整税と、輸出品に対して国内で課せられた消費税の全てまたは一部を還付する輸出戻し税とがある。経済協力開発機構(OECD)では、「輸出国の国内市場で消費者に販売される類似の国内産品に関して、輸出国において課される税の全部または一部を輸出産品から免除する、そして輸入国において類似の国内産品に課される税の全部または一部を消費者に販売される輸入産品に課す措置」と定義している。
国境税は、消費税は消費地で課税されるべきであるとする仕向地課税主義に基づいていて、国内の消費税率の範囲内で調整されるかぎり無差別貿易の原理に抵触せずGATTの規約違反にはならないとされているが、輸出に輸出補助金を与え、輸入に非関税障壁を設けるのと同じ効果をもつため、輸入抑制・輸出促進の効果がある。
2016年11月の米大統領選に勝利したトランプ大統領が、企業の生産拠点の「米国回帰」を促す仕組みとして導入を検討したことによって、注目を集めた。(導入は見送られている。)