ルーカス批判
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- Lucas critique
米国の経済学者でありロバート・ルーカスが1976年に発表した論文 "Econometric policy evaluation: a critique" で行った伝統的なマクロ経済学における政策評価方法に対する批判のこと。
経済主体の行動をモデル化した方程式を過去のデータにより推定して、将来取るべき政策の評価を行う伝統的な手法は、過去のデータに基づいて推計された行動を不変なものと仮定して政策評価を行うことであり、現在の政策変更は将来の政策に関する人々の期待に影響を与える結果、人々の行動も変える可能性があることを無視していると批判していて、以降、個々の経済主体の最適化を明示的に考慮するいわゆるミクロ的基礎を持ったモデルを用いたマクロ経済分析が主流になっていった。