ケインズ
- 英語
- John Maynard Keynes
経済学史上で最重要人物の一人といわれる英国の経済学者で、ケインズの理論を基礎とする経済学を「ケインズ経済学」(「ケインズ主義」)と呼び、マクロ経済学の礎となった。
主著「雇用・利子及び貨幣の一般理論」において、不完全雇用のもとでも均衡が成立しうるとした上で、完全雇用を与えるための理論として有効需要の原理を示し、有効需要不足による不完全雇用均衡の存在を明らかにし、非自発的失業解消のための減税・公共投資などの経済への積極的な政府介入を正当化し、大恐慌に苦しむアメリカのフランクリン・ルーズベルト大統領によるニューディール政策の強力な後ろ盾となった。
ケインズは投資家としても母校キングス・カレッジの基金3万ポンドを運用し、38万ポンドに増やすなど成功しており、株式価格形成の問題を当時の新聞で行われていた美人コンテストを例えにして、個々の判断に基づく投資より投資家全体の投資を考慮した投資の方が有効であると説明している(美人投票)。
またケインズはブレトンウッズ会議のイギリス代表団の団長を務め、IMF創設など戦後通貨体制構築に大きく貢献した。