パリ協定
- 英語
- Paris Agreement
第21回気候変動枠組条約締約国会議(COP21)が開催されたパリにて、2015年12月に締結された、気候変動抑制に関する多国間の国際的な協定(合意)のことで、1997年に採択された京都議定書以来、18年ぶりとなる気候変動に関する国際的枠組みであり、2020年以降の地球温暖化対策を定めている。
先進国のみに削減目標を課し、達成義務を課していた京都議定書とは異なり、パリ協定は、全ての国が自国で作成した目標を提出し、その達成のために措置を実施する義務を課しているが、達成そのものは義務付けられていない等、中国やインドといった途上国や、議会を通さないでパリ協定を締結したいアメリカへの配慮も見られる。
協定発効には55カ国以上が批准し、世界の温暖化ガス排出量の55%に達する必要があるが、米国や中国、EU諸国、カナダ、ブラジル等が批准し、2016年11月4日に発効した。(日本の批准は2016年11月04日)
パリ協定の主な内容
- 目的
世界の平均気温上昇を産業革命前と比較して2度未満に抑えること。特に気候変動に脆弱な国々への配慮から、1.5度以内に抑えることの必要性にも言及。
- 長期目標
目的を達成するために21世紀後半に、人為的な温暖化ガスの排出と吸収を均衡させるように削減すると定め、今世紀後半に排出を実質ゼロ(ゼロ・エミッション)にする脱炭素化社会・経済のビジョンを提示。
- 5年ごとの見直し
自国の目標を作成・提出し、目標達成のための国内措置を実施することをすべての国の義務とし、2020年以降、5年ごとに目標を見直し・提出する必要があり、その国の現在の目標を上回るもので、その国が最大限可能な目標でなければならない。
- 資金支援
支援を必要とする国への資金支援については、先進国が原則的に先導しつつも、途上国も(他の途上国に対して)自主的に行っていくこと。
- 損失と被害への救済
気候変動の影響に、適応しきれずに実際に被害が発生してしまった国々への救済を行うための国際的仕組みを整えていくこと。
- 検証の仕組み
各国の削減目標に向けた取り組みや他国への支援について、定期的に計測・報告し、かつ国際的な検証をしていくための仕組みを構築。