カナダEU包括的経済貿易協定
- 英語
- Canada-EU Comprehensive Economic and Trade Agreement
- 同意語
- CETA
2016年10月にカナダとEUの間で正式署名された貿易自由化だけでなく投資や知的所有権等を含む広範にわたる自由貿易協定(FTA)のことで、カナダにとってはアメリカへの過度の依存からの脱却を目指すものであり、EUとしては先進国との間で締結した初の包括的な貿易協定で、米国との締結を目指す環大西洋貿易投資パートナーシップ(TTIP)に先立つモデルケースとして注目されている。
欧州議会の批准を経て2017年初めから暫定履行される見込みで、協定の完全発効にはEU28加盟国の議会と一部の国の地方議会の批准が必要となる。
CETAの主な内容
- 関税撤廃:
協定発効後、ほとんどの品目(全ての関税品目の99%以上)で速やかに関税を撤廃
- 非関税障壁(NTBs):
双方の適合性評価承認の改善を図ることで、技術的な規則における透明性の改善
- サービス貿易:
企業従業員の一時的派遣(移動)の容易化や専門職資格の相互承認
- 投資:
無差別で公平かつ公正な扱いと、収用権を行使する際の適切な賠償を保証するEUの投資家保護規定を盛り込む
- 公共調達:
連邦政府より下位の全てのレベルでの調達市場を2国間で開放
- 地理的表示保護制度(GI):
特定の地理的起源を持つ多くのEU農産品リストに対して、カナダ市場での特別な地位を承認、保護
- 紛争解決メカニズム:
公式な協議を通じた合意形成に失敗した場合、独立した法律専門家を入れた仲裁パネルの設置を要請できる
- 調停:
EU・カナダ間の貿易と投資に有害な影響を与える措置に取り組むため、任意の調停メカニズムを用意