安定・成長協定
- 英語
- he Stabilityand Growth Pact、
- 同意語
- SGP
- 関連語
- マーストリヒト条約
欧州連合(EU)の経済通貨同盟を促進、維持していくための財政政策の運営に関する1997年に採択された、マーストリヒト条約で定められた過剰財政赤字是正手続きの実質的な適用を図るために制定された欧州理事会規則のこと。
ユーロを導入しようとする国は欧州連合条約の収斂基準を満たさなければならず、また導入後も安定・成長協定によって基準を守り続ける必要があり、欧州委員会及び欧州連合理事会による加盟国の財政監視が定められている。協定違反国に対しては警告、制裁措置を実行することもうたわれている。。
ユーロ導入国が実際に満たすべき基準
- 単年度の財政赤字額(地方政府等を含むどの全ての公共財政赤字の合計)の比率が国内総生産(GDP)の3%を上回ってはならない。
- 政府債務残高がGDPの60%を超えてはならない。
安定・成長協定は柔軟性に欠けており、毎年度で一律に適用することで、好景気で財政収支が改善する時期には財政規律を有効に機能させることができず、景気低迷により財政収支が悪化する時期には政府の財政支出を制限することで経済成長が阻害されるという批判もあり、2005年に、「財政赤字のGDP比3%以下、政府債務残高同60%以下」という大原則は堅持した上で、中期財政目標を各国の公的債務残高や潜在成長率に応じて設定する等して各国の事情に配慮すること、過剰財政赤字認定及び赤字是正手続きの部分で、財政赤字がGDP比3%を超えても許容される「例外かつ一時的」状況の定義を実質成長率がマイナスないし潜在成長率を下回る成長が長引く場合として基準を緩和すること等の見直しがなされた。
またユーロに未参加のイギリスは、統一通貨ユーロに参加するまでの期間は「過剰財政赤字」による制裁措置は免除されているが、財政規律は遵守する必要がある。