コーポレートガバナンス・コード
- 英語
- corporate governance code
- 同意語
- CGコード
- 関連語
- スチュワードシップ・コード , 独立社外取締役
株主の権利や取締役会の役割、役員報酬のあり方など、上場企業が守るべき行動規範を網羅した上場企業の企業統治の指針のことで、法的な強制力はないが、「comply or explain(原則を実施するか、実施しない場合には、その理由を説明するか)」との原則に基づき、企業は、基本原則等に従って実施(comply)するか、実施しないでその理由を説明(explain)するかを選択でき、それぞれの企業に最も適したガバナンス体制は、その企業ごとに異なり得るという柔軟な発想に基づいている。
イギリスにおいて1998年から、上場会社のコーポレートガバナンスの望ましい在り方として示されてきた統合規範(the Combined Code)が、リーマン・ショックに端を発する世界的な金融危機を受け、それまでの統合規範を、投資する側(機関投資家)を対象とする「スチュワードシップ・コード」と、投資される側(企業)を対象とする「コーポレートガバナンス・コード」2つに分けることになったことがコーポレートガバナンス・コード始まりであり、イギリス、ドイツ、フランス等の主要国を含む70カ国以上で策定されている。(米国では、コーポレートガバナンス・コードは導入されておらず、上場規程がコーポレートガバナンス・コードと同様の役割を果たしている。)
日本では、東京証券取引所がコーポレートガバナンス・コードを有価証券上場規程の別添として定めるとともに、関連する上場制度の整備を行い、2015年6月1日から適用された。
コーポレートガバナンス・コードの基本原則
- 株主の権利・平等性の確保
上場会社に、株主が適切に権利行使をできるような環境の整備を行うことなどを求め、具体的には、上場会社は株主総会の招集通知を早期に発送することに努めるべきであるなどとしている(補充原則1-2?)。
- 株主以外のステークホルダーとの適切な協働
上場会社に、従業員や顧客、取引先、債権者など、多数存在するステークホルダーとの適切な協働を求めており、具体的には、上場企業は、自らが担う社会的な責任についての考え方を踏まえ、経営理念を策定すべきであるとしている(原則2-1)。
- 適切な情報開示と透明性の確保
上場会社は法令に基づく開示以外の情報提供にも主体的に取り組むべきであるとし、具体的には、「経営戦略、経営計画」や「コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方と基本方針」などについて、主体的な情報発信を行うべきとしている(原則3-1)。
- 取締役会等の責務
上場会社の取締役会は、経営陣に対する実効性の高い監督を行うなど、その役割・責務を適切に果たすべきであるとし、具体的には、上場会社は資質を十分に備えた独立社外取締役を少なくとも2名以上選任すべきとしている(原則4-8)。また、独立社外取締役は、独立した客観的な立場に基づく情報交換・認識共有を図るべしとされ、その一例として独立社外者のみをメンバーとする会合を定期的に開催することが示されている(補充原則4-8?)。
- 株主との対話
上場会社は、株主総会の場以外においても、株主との間で建設的な対話を行うべきであるとし、具体的には、上場会社は、株主からの対話(面談)の申し込みに対して合理的な範囲で前向きに対応すべきあり、株主との建設的な対話を促進するための体制整備・取り組みに関する方針を検討・承認し、開示すべしとしている(原則5-1)。