重油
- 英語
- heavy oil
原油の常圧蒸留によって塔底から得られる残油、あるいはそれを処理して得られる重質の石油製品のことで、ガソリン、灯油、軽油より沸点が高く重粘質である。
重油は動粘度によりA重油、B重油、C重油に大別され、A重油は農耕機や漁業用の中小型船舶のディーゼルエンジンやビルや中小工場の暖房・給湯・加熱用ボイラー、農産物用のビニールハウスのボイラーの燃料として用いられ、B重油及びC重油は、船舶用の大型ディーゼルエンジン、工場や発電所、地域冷暖房などの大規模ボイラーの燃料などに用いられている。(B重油は現在ほとんど生産されていない。)
また、A重油の品質は軽油に非常に類似しているが、軽油引取税が課税されないため軽油に比べて安価であるため、トラックなどの自動車用ディーゼルエンジンの燃料に流用される不正軽油問題がたびたび生じ、このような脱税目的でのA重油の使用を防ぐために、A重油には1991年から識別剤としてクマリンが添加されている。