BTCパイプライン
- 日本語
- バクー・トビリシ・ジェイハンパイプライン
- 英語
- Baku-Tbilisi-Ceyhan Pipeline
- 関連語
- ACG油田 , ドルジバパイプライン
アゼルバイジャンのアゼリ・チラグ・グネシュリ油田(ACG油田)からトルコの地中海沿岸南東部のジェイハンまでを結ぶ原油パイプラインのことで、カスピ海の世界最大規模の油田から、原油を西側市場への輸送するために計画され、2005年に完成し、ACG油田で生産される原油ををはじめ、トルクメニスタンやカザフスタンで生産される原油などもあわせて輸送している。
イランを通ってペルシャ湾に至るパイプラインが地理的に最も短く、採算性に優れているが、経済制裁の可能性のあるイランルートや、ロシアの影響力拡大懸念からソビエト連邦時代からのロシアルートを排除した結果、アゼルバイジャンの首都バクーから発し、グルジアの首都トビリシを通り、トルコのジェイハンへ抜ける全長1,768キロメートルに及ぶルートとなり、ドルジバパイプラインに次ぐ世界第2位の規模のとなった。
BTCパイプラインによって世界的な石油供給を多様化させ、供給の確実性をかなり高めることになるという見方もあるが、供給量は全世界の需要の1%程度であるため懐疑的な見方もあり、ロシアはこのカフカースにおけるロシアの影響力を弱めることを狙ったものだと主張している。
また、BTCパイプラインのほぼ全部が地中に埋められているため、テロ攻撃は比較的困難とされるが、南オセチアとアブハジアという2つの分離主義者問題を抱えるグルジア、分離主義者問題を抱えるクルド人を地域抱えるトルコを通過するため、保安について懸念の声もある。