投資用語集

バイオエタノール

英語
bioethanol
同意語
バイオマスエタノール
反意語
合成エタノール
関連語
バイオガソリン , フレックス燃料車
カテゴリ
とうもろこし ,

サトウキビやトウモロコシなどのバイオマスを発酵させ、蒸留して生産されるエタノールのことで、エネルギー源としての再生可能性やカーボンニュートラル性を念頭に、石油系燃料から製造される合成エノールと区別するために使われ、再生可能なエネルギーであること、その燃焼によって大気中の二酸化炭素(CO2)量を増やさない点から、エネルギー源としての将来性が期待されている。

バイオマスエタノールの原料は、理論的には炭水化物を含む原生生物由来の資源であれば何でも良いが、生産効率の点から糖質あるいはデンプン質を多く含む植物資源が選好され、ブラジルではサトウキビに由来するモラセスが、米国ではトウモロコシが、欧州ではてん菜が主な原料となっていて、食料としての用途との競合により食糧価格高騰の原因の1つとも言われている。

燃料としてのバイオエタノールは、再生可能な生物資源から生産されるために持続可能なエネルギーであるとともに、燃焼しても地表の循環炭素量を増やさず、また、ガソリンと比較してノッキングが発生しにくいといったメリットがあるが、同量のガソリンと比べ熱量が約2/3と小さく、エンジン中のゴム製、プラスチック製、アルミニウム製の部品を腐食する可能性や、燃料タンク内と外気の温度差によって発生した結露水と結合し、水分を高温高圧な燃焼室へ送り込み腐食を急激に早める可能性、ガソリン燃焼と比べ、有害物質のNOxが多く排出されるといったデメリットもある。

バイオエタノールは、エタノールのみで燃料として利用することもできるが、ガソリンと比べ熱量が小さいことから、ガソリンと混合して利用することが多く、エタノールを低濃度で混合したガソリン(バイオガソリン)の場合、通常のガソリンエンジンで燃焼させても問題が生じないとされ、その混合比率は国や地域によって異なる。

日本では総合資源エネルギー調査会燃料政策小委員会が、2003年にE3(エタノールの混合量3%のバイオガソリン)までなら問題ないとしているが、米国の一部の州ではE10(エタノールの混合量10%のバイオガソリン)の販売が義務付けられている。一方で、バイオエタノール先進国のブラジルでは、標準的なバイオガソリンは、E20(エタノールの混合量20%のバイオガソリン)となっていて、近年ではブラジルの国内自動車販売のほとんどが、純粋エタノールから純粋ガソリンまでどのような混合比の燃料を利用しても十分な性能が得られるフレックス燃料車(flexible-fuel vehicles)となっている。

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